捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 よそ行きに使う服でもない限り、普段はなるべく安物で押さえている。そんな私が突然ハイブランドの専門店に引っ張り出されたのだから、思考停止するのも仕方がないだろう。

「好きなものって」

「なんでもいい。服でもカバンでも、靴でも」

「どうして急に……」

 言いかけて、自分の身体を見下ろした。

 いつの間にか当たり前になっていた、上下合わせて一万円もしないブラウスとパンツ。カバンだって使い古したせいで角が少しよれている。

 一方、涼さんは違っていた。

 自分で服を好んで選ぶタイプではないのに、さすが世界を相手取る大企業の社長と言うべきか、私服でさえ品のいい明らかなブランドものを身につけている。

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