捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 簡単に言えばシャツとジャケットにラフなズボンだけである。全体的にモノトーンで揃えているからかシャープな印象を与えるそれが、全部合わせていくらになるのか考えたくなかった。少なくとも私の私服の十倍は軽く超えているに違いない。

 急に恥ずかしくなった。私のようなみっともない女が隣に立っていたら、たしかに他人の目が気になることだろう。

「……お気遣いありがとう」

 嫌味っぽい言い方になってしまい、またそんな自分に嫌気が差した。

 自己解決はしても、どこまで涼さんが私の格好を気にしているか、正直わからない。

 過去、付き合っていたときはいわゆる上流階級の人間にもかかわらず気取ったところを見せなかった。私を自分に合わせさせるのではなく、涼さんの方から私に合わせてくれていたのを思い出す。

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