捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 父親を待つと言ったときの鳴の顔を思い出す。

 あんなうれしそうな顔を見たことがあっただろうか。私の都合で父親を奪っていたのかもしれないと思うと、本当に胸が痛い。

「だったらなおさら、会ったときの手土産が必要なんじゃないのか」

「あなたのそれは父親としての義務感からきてるの?」

 そう聞いてしまったのは、たぶん焦っていたからだ。

 今まで私と鳴だけだった世界に、涼さんが踏み込もうとしてきている。きっと鳴は喜ぶに違いない。だけど、もしこのそっくりな親子が意気投合してしまったら、私の存在はなんだったのだろう。

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