捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 感じるのは怒りだろうか。それとも憎しみだろうか。なんにせよ、私に対して好意的なものではないように見える。

 怖い、と思った。逃げたくてたまらなくなる。

「涼さん、痛い……」

「先に俺を裏切ったのはお前の方だ。死ぬまで許すつもりはない」

 ぱっと手を払ったのは私ではなく涼さんの方だった。

 さっきはぴったりだと思った指輪がひどくきついように思えたのは、これが愛情の証ではないと改めて思い知らされたからだろうか。

 また目の前が潤んだけれど、さっきのように慰めてもらえないのはわかっていた。だから、自分の力だけで必死に堪える。

 なにがこの人を激高させているのかわからない。でも私への怒りは感じる。うれしい、と思った気持ちは急速に萎んでいった。

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