捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 今夜は涼さんがこの家に泊まる形で鳴と過ごす。はらはらしていたけれど、それは初対面の親子も同じようだった。

 そう広くもない部屋の真ん中で、どちらも床に座ってお互いをじっと観察している。

(もう十分くらい動かないんだけど……)

 涼さんも鳴も微動だにしなかった。ただ、相手がどうするかをひたすら窺っている。

 そんなよくわからないところまで似ていなくていいと思うけれど、ふたりにとってはたぶん重要なことなのだろう。

 てっきり鳴は大はしゃぎで父親に抱き着くのだと思っていた。涼さんがはしゃぐところは想像できないまでも、なにかしらもう少し人間らしい反応が見られると予想していたのに、まったくもって理解できない状況になっている。

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