悪戯 ―イタズラ―


口から手をはなされた。

叫ぶ気力は残っていない。


叫んでも、意味がない。


首でも絞めて殺すつもりか。

それとも殴られるのか。


手がのびてきて、反射的に瞼をギュッと閉じる。


「……っ」


細く長い指で、服の上からカラダをなぞられる。

なんて焦れったい触れ方をするんだろう。


「口あけて下さい」


ねえ、どうして

君はそんなに、そっと私に触れてくるの。


手荒なことしておいて、今度は、心から想い合っている恋人みたいなキスをしてくるの。


「襲われて感じてるじゃないですか」


これが、"襲う"……?


私、知らない。

こんなに丁寧に扱われたこと、ない。


「やだ。……そこは」


スカートの中に手が入ってくる。


「触る前からこんなにしておいて?」

「だ……め」

「結局、愛なんてなくてもヤれたら誰でもいいんですね」

「ちが……う」

「そうですね、遊んでもらいたいんですよね。都合よくオモチャにされるのが好きなヘンタイなんですよ、あなたは」


――――ちがう


「愛するひとに。愛され……たい」
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