悪戯 ―イタズラ―
「……私は」
あの人の、どこが、好きなんだろう。
信じていた優しさは、半分、偽りで。
今のあの人に、尊敬の気持ちは、どのくらい残っているのか。
全部好きだと思っていた。
どんなところも。
ダメなところすら愛せると。
それが、愛だと。
「ふっ……あ……」
どうして愛しているはずの男でなく、
まともに話したことがなかった男に好きにされてるんだろう。
なにかが込み上げてきたとき、タカラくんの手が私からはなれた。
「……え」
「イかせてあげません」
この男もまた、天使の仮面を被った悪魔なのだろうか。
散々弄んで、私が君に落ちたら捨てる?
「アイツじゃなくて。僕に。僕だけに、泣いて下さい」
ううん、あの男より酷い。
笑わせてくれる気がないらしい。