ウルルであなたとシャンパンを
「え?……違った?」
心もち頭を下げるようにして香耶の指さす先を覗き込んだルカは、小さく笑いをこぼしながらポン、と香耶の頭に手を置く。
「!!」
「……違く、ないよ」
ルカは驚きに固まった香耶に気づかない様子で、そのまま、くしゃっと髪をかきまぜる指先に、香耶の全神経が集中する。
「あれは、もうすごく昔に建てられて、100年……80年だったかな?ずっと、あそこにあるんだ」
まさかの状況に、指さした時計塔について説明してくれているルカの声も、あんまり耳に入って来ない。
頭ポン、で、そのまま……撫でられて……る?
さっきのほっぺにキスは挨拶かも、と思えたけど、これは……この状況は一体……?
混乱状態の頭に、昨日ルカが何度か言っていた言葉が浮かぶ。
『コドモだよね』
……そう、そうだ。
これは、私を子供扱いしての、行為なのかもしれない!
ここのことは何も知らないし、英語も話せないし……アジア人は体が小さいから!
「……カヤ?」