【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「フェルゼンは?」
「無くはないが俺は嫡子だからな、慎重になるよな」
「ベルンは?」
シュテルが興味津々に尋ねる。
「……ない……」
あるわけないけれど。まあ、自分のことはどうでもいい。恋愛も結婚もよく分からないし。
でも、友達にそんな話が出ていることにビックリした。
恋すらもまだなのに、婚約だなんて。結構ショックだ。確かに、お姉様のお相手を探す話も出ているのだから、当たり前なのだ。
「なんか、私だけ置いていかれそうだな」
正直、寂しいと思ってしまった。今まで考えたことはなかったけれど、士官学校を卒業すればバラバラだ。
自分の家庭を持つようになれば、今と同じようには遊んでいられないだろう。