【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
士官学生のいる小隊は本陣の両翼を守ることになっていた。
クラウトは、木属性の魔法を扱い森の道を開ける。
私は氷で防御壁を張り、炎の魔法を持つフェルゼンは、攻撃の先陣を切る。
シュテルは金属性の魔法で、仲間の武器の強化とモンスターへの攻撃だ。シュテル自身の弓矢は、矢じりが水銀魔法でコーティングされているらしいから、正直えげつない。
どんなモンスターも、シュテルの矢の前には敵わないのだ。
さすがにいつもの討伐訓練とはモンスターの格が違った。
倒しても倒しても、新しいモンスターが立ち上がる。
討伐部隊の本陣が目指す、ボスクラスを仕留めなければ際限がない。
徐々に怪我をするものも増え始め、私は出血を凍らせて一時的な血止めをして回ることになった。
後方には救護隊が配備されているから、そこまでの応急処置だ。
「ベルン! サンキュ!」
「良いから下がれ!!」