【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 なんということはない。
 ベルンシュタインとフェルゼンはもともとの幼馴染だったそうだ。
 だからすぐに気安くなった。

 私たちはその後、王宮の中庭で剣を振るって遊んだ。ルールなどない三人で剣を交える混合戦だ。中庭と言えども、緑の庭はなかなかに広く、子供が十分に遊べる広さはあったからだ。

 フェルゼンとそん色のないサーベル使いに改めて驚いていれば、ブルーの瞳が悪戯っぽく笑った。
 負けじと僕も踏み込めば、驚いたように瞳の色を強くした。

 楽しい!
 フェルゼンと遊ぶのと同じくらい楽しい!

「殿下とは剣闘会でお会いしましたよね?」

 ベルンシュタインはそう言った。
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