【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

21.マレーネ姫の視察旅行 1


 マレーネ姫と一緒に視察旅行へ出かける。馬車の中には、いつもの侍女とメイド、それと女装した騎士(?)の私である。
 マレーネ姫は、デビュタントを果たしたことから王族としての公務をつとめるようになった。今回はクラウトの家、ヴルツェル侯爵家領地への視察旅行だ。ヴルツェル侯爵家は昔から王家と親交が深く、代々王家親衛過激派だそうだから、初めての宿泊を伴う視察旅行にはお誂え向きともいえた。
 しかし、王女の視察旅行は前例がなく、かつ最近不審な手紙が届くこともあり、警備を厳重にしたいとのことで、メイド騎士が用意されたのだった。
 メイドに扮した私と、普通の騎士数人に、二年のクラウトも一緒だ。クラウトは自身の家でもあったから、特別に配備された。

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