【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「どうされましたか?」
「いや、これ、頭痛い……」
内容を見せればクラウトも、ゲぇと口に出した。
「警備をよろしく頼む」
「承知しました。我が領地で自由にはさせません」
凛々しく胸を叩き、クラウトは持ち場に戻った。頼もしい限りだ。私も姫の元へ戻る。
「あの、なんて書いてあったのでしょう?」
マレーネ姫が恐る恐る尋ねる。
「いつもと変りない内容です。ただ、ここへ来ていることを知られてしまっていますね」
マレーネ姫は顔をひきつらせた。確かに怖すぎる。
私は安心させるように、マレーネ姫の震える手をそっと握る。