【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「出でよ! リリトゥ!!」
凛とした声が響く。バサリと布が投げ捨てられる。檻の中には大きな鳥。きらびやかな翼を広げて、大きく奇怪な声で鳴いた。
その瞬間、檻の扉を姫君が開ける。
「モンスターだ!」
叫び声が響いた。周りを見れば、グズグズと騎士たちが頭を抱えて座り込んでいる。私は剣をつがえて、リリトゥに立ち向かう。大きな翼が熱風を巻き起こす。炎の魔法だ。
- 我ニ従エ サスレバ欲イ男ヲクレテヤル -
おぞましい鳴き声と裏腹に、直接頭に響いてくる言葉。
畏敬の視線で、リリトゥを見つめる北国の姫。
これは、操られてる?