【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

- 我ニ従エ サスレバ欲イ男ヲクレテヤル -

 もう一度響いてくる言葉。脳裏にシュテルの顔が浮かぶ。
 サーベルを弾き返す鳥の爪。
 
 欲しい男を……手に入れられる?

 だったら。ふらつく心に戸惑う。

 でも、こんなやり方、軽蔑されるに違いない。魔物の力を借りるなんて、シュテルが許す訳がない。

 ガツンとリリトゥの爪が私の胸に刺さる。
 瞬間、リリトゥが驚いて後ろに飛びのく。
 胸の四葉のクローバーが、爪を弾き返したのだ。ウォルフがくれた幸運のブローチ。

 シッカリしろ!!

 これがリリトゥなら、戦えるのは女だけだ。魔物の力を借りるほど、私はそんなに弱くない。弱くないと信じたい。
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