【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「もし、まだ、私たちを見限ってなかったら、これからもベルンを助けてくれたら嬉しいのだけれど」
その言葉をまるで神託を受ける騎士のような気持ちで俺は聞いた。
俺がベルンを見限るなんてことはない。
ベルンが俺の気持ちを掬い上げてくれたように、俺だってベルンを守りたいのだ。
「もちろん、俺でよければ!」
誇らしく思ってそう答えれば、リーリエ様は花が綻ぶように笑った。
リーリエ様の髪が、窓から差し込む光を反射する。窓枠の細い影が、まるで剣のように俺の肩に触れた。