冷徹騎士団長に極秘出産が見つかったら、赤ちゃんごと溺愛されています
 

 実際、ラフバラの兵士たちに、ウォーリックの民が命を奪われてきたのも事実だ。


(でも反対に、ウォーリックの兵が、ラフバラの民の命を奪ったのも事実だわ……)

「王が代わったからといって、両国の因縁が絶ち消えたわけではない!」


 争いと、憎しみ合いの歴史。

 しかし今、リリーの父が言ったとおり、ラフバラの王が代替わりしたことで和平が申し込まれ、長い争いの歴史に終止符を打とうという案がラフバラから上がっていた。


(私は中級国である我が国に、格上であるはずのラフバラは随分と譲歩してくれていると思うのだけれど……)


 争いのもととなった肥えた土地に関しては、両国が平等に使えるものとしようと持ちかけられていると聞く。

 武力の差で取り上げられるのも時間の問題かと思われていたところ、利益を半々にしようと提案されたのだ。ウォーリックに負の要素はひとつもないと考えられる。

 だからこそリリーは心の中で、ラフバラとの和平に応じるべきだと思っていた。

 しかし、国王である父の考えは真逆だ。

 あくまでラフバラはウォーリックの敵であり、国を揺るがす悪であると決めつけている。

 
< 17 / 169 >

この作品をシェア

pagetop