放課後は秘密のキスを
教室に残っているのは私と隣で寝ている朝倉君だけ。



起こしたほうがいいのかな。
放課後だし、帰らないのかな。



机に出ていた筆記用具を筆箱にしまって、ちらっと朝倉君を見ると朝倉君は起きてて私を見ていた。



「ねぇ、ちょっと時間ある?」



『うん。』




「じゃ、ついてきて。」



『え?ちょっと待って!』



かばんを持って立ち上がり、すたすたと歩いて行ってしまう朝倉君に急いでかばんに教科書を入れて背中を追う。



階段を上がって渡り廊下を渡って特別教室棟へ。
普段からあまり使われることがないから、廊下は薄暗い。



先生も生徒も立ち入らない1階。



「どーぞ。」



『ありがとう?』



なんでここに呼ばれたのか。
勝手にここに入ってもいいのかとか。
色々な疑問が頭に浮かんでお礼の言葉も疑問する形になってしまった。

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