没落姫の溺愛婚~双子の寵姫も楽じゃない!?~
「そうしたら、きっと俺達のこの彩希への深い愛情が伝わると思う」

 ちゃんと、この愛しさがお前に伝わってるか?

 彬親はさらに問いかけながら、彩希の顔を背後から覗き見る。

 そして、こてん、と幼さの混じる可愛らしい仕草で首を傾げた。

「彩希?」

 その問いにも答えられずに真っ赤な顔で俯いて、ぷるぷると小刻みに震えている彩希を見て、どうやら嫌われているわけではないと二人は判断したのだろう。

 さらに二人は彩希に体を寄せて、するりと、どちらかの腕が腰に巻きついてくる。

 そして、次の瞬間。
 ふわりと体が浮いた。

「きゃ…………っ」

「ばーか、お前を落としはしねぇよ。
大丈夫だから、安心してここにいろ」

 背後からぎゅうっ、と強く抱きしめられて、優しく囁かれた。

 この声は、彬親だ。
 彩希はどうやら、彬親の膝の上に座らされているらしい。

 床に座るよりも温かくて柔らかくて、心地いいのだけと……。

(お願い、私を離して~っ!)

 何故、こんな状況に陥っているのか、自分でもよくわからない。

 自然と胸が高鳴って、色々と期待してしまうから。

 だから、期待出来ないように甘やかさないで欲しい。
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