没落姫の溺愛婚~双子の寵姫も楽じゃない!?~
「思ってた以上に意地っ張りだな、お前。
いや……、だからこそ俺達好みに調教しやすいのか……」

「いいね、教え甲斐がありそうだよ。
彩希、早く私達の色に染まってごらん……?」

 落ちてくれそうで、なかなか落ちてくれない。 

 そう拗ねながらも、彩希の肌を撫でてくれる二人の手がすごく優しい。

 彩希が二人が伝えたいことに気づかない振りをしていることに、きっと気づいてる。

 だから、直接語りかけてくるんだと思うから。

(私……。 今のままでも、幸せなんですよ……?)

 今のままじゃ、いけないのかな。

 つい最近、独りぼっちで捨てられたことが、どうしても、今でも頭から離れなくて。

 また誰かを好きになって、こっぴどく捨てられるくらいなら。

 今のまま、変わらないままでいたいのに……。

「ねぇ、彩希。
私達は……君がここに来てくれて嬉しいよ」

 ふいに囁かれた、芳哉の耳に心地よく柔らかな声。

 その声に、彩希は赤く染まっていた顔を上げ、芳哉を見上げた。

「芳哉様……?」

 芳哉の最奥まで澄んだ瞳が、彩希をじっと見つめている。

 思わず吸い込まれてしまいそうなくらい綺麗だと、自然と魅入られてしまった。
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