没落姫の溺愛婚~双子の寵姫も楽じゃない!?~
「あんな最低(くず)男と俺達を一緒にするんじゃないぞ、彩希。
俺達は一度心に決めた相手はな、ぐずぐずに溶けきるまで深く長く永遠に愛してやる主義なんだからな。
何にも考えず、素直に俺達から愛されてろ」

「彬親様……」

 彬親の言いたいことは、彩希だってわかってる。

 きっと二人は、心から愛する人をずっと大切にしてくれるんだろうな、って。

 二人は、そういう誠実な人だ。

 もし、二人の寵姫になれたなら。
 周りが見えなくなるくらい嬉しくて、すごく幸せなんだろうなぁ……。

 って、二人から愛されろと甘やかされながら言われるたびに、いつもそう考えてる。

「彩希、ちゃんとわかってるか?」

 返事が出来ずにいる彩希に焦れたのだろうか。
 彬親は彩希の顎を掴み、ぐいっと自分の方へと向けた。

「あ、彬親様……っ」

「よそ見するなよ、俺達だけ見てろ」

 それにしても、さっき彬親が悪いことはしないから、って約束してくれたはずなのだけれど……。

(もうすでに、色々と悪いことされているような気がするんだけど……?)

 気のせいかしら……?
 と、彩希は心の中でそう呟いた。
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