あたしを撫でる、君の手が好き。

冗談じゃなく本気で心臓が飛び出してしまいそうで、ごくんと唾を飲み込む。

そのときあっくんが、あたしの耳元で甘く誘うようにささやいた。


「じゃぁ、シロも俺のこと名前で呼べば?」

「え、でも……」

「別に、ダメなんて言ったこともないし。呼んでみてよ、今ここで」

「今?」

「今」

あっくんがあたしの耳元で、クスッと意地悪な笑い声をたてる。

からかわれてるんだ。

あたしの真剣な想いを弄んでくるあっくんに、少しだけ腹が立つ。

それなのに、後ろ髪を揺らしてくる微かな吐息や悪戯に耳や首筋にまで触れてくる指先に、あたしの動悸が激しくなった。


「シロ、早く」

焦れったそうにつぶやいたあっくんが、左側から肩越しにあたしの顔を覗き込んでくる。


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