あたしを撫でる、君の手が好き。
あっくんが、あたしの顎に指をあてて振り向かせる。
あたしを見つめるあっくんの瞳は、いつもとは違い甘美な熱を孕んでいて。その熱に焦がされるみたいに、身体全体がジリジリと火照った。
「あさ────」
あっくんの瞳の熱に蕩かされそうになりながらもう一度名前を呼ぼうとすると、最後まで言い終わらないうちに、あっくんの唇がちゅっと軽く触れてきた。
不意打ちのできごとに驚いて、確かめるように自分の唇に触れてみる。
だけどそこにはいつもと変わらない感覚しかなくて。今起きたことが現実だったのかどうか、いまいちよくわからない。
「いまの、は?」
「んー……、ちゃんと名前呼べたご褒美?」
あっくんが語尾上がりにそう言って、あたしから微妙に視線を外す。
ご褒美、か。すごく特別なことをしてもらえた気がしたけど、なんだか可愛がってるペットとか小さな子どもに対する言葉みたいだ。
でも、ご褒美って。そっか。それなら……