あたしを撫でる、君の手が好き。

「そういうわけだから、富谷は今後一生るみからブロックな」

「なんでだよ。亜聡と付き合ってるなら、別にちょっかいかけないし。クラスメートとして連絡とるくらいよくない?」

「よくない。連絡取ろうとしたがる時点で、下心あるだろ」

「ないって」

目の前で戯れ合うような言い争いを繰り広げるあっくんと富谷くんは、あたしとあっくんの関係が変わろうが仲が良さそうだ。


「あ、富谷。岸くん、おはよー。今日も朝から仲良いね」

あっくんと富谷くんのやりとりを見守っていると、あたし達の横を通りかかった徳永さんが声をかけてきた。

振り向いたあたしに、徳永さんがにこっと笑いかけてくる。

徳永さんがあたしとあっくんのことに気付いているのかどうかはわからない。

けれどあたしは、彼女があっくんの呼び方を「亜聡」から「岸くん」に戻していたことに気が付いていた。


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