あたしを撫でる、君の手が好き。
「ほんと、富谷は騒がしいよな」
富谷くん達が離れていくと、あっくんが当たり前みたいにあたしの隣に並ぶ。
ただ並んで歩いているだけなのに、その距離はこれまでよりも少し近くて。あっくんがいる右半身が熱かった。
意識しすぎてしまって、右に顔を向けられない。
「富谷くんはいつも明るくて楽しいよね」
「富谷と登校するほうがよかった?」
会話を繋げるために、何の気なしにそう言うと、右耳にあっくんの低い声がぼそりと届いた。
「違うよ。そういう意味じゃなくて。今のは客観的な感想」
「ふーん」
そっと右斜め上に視線を向けると、納得のいかなそうな顔をしたあっくんが、あたしをじっと見下ろしていた。
「るみ、これ」
少し低い声であっくんがあたしを呼ぶ。
慣れないその呼ばれ方にドキッとして肩を揺らすと、あっくんが持ったままにしていたあたしのスマホを返してきた。