あたしを撫でる、君の手が好き。
「本当に気付いてなかったんなら別にいいよ。るみが俺のメッセージ無視して富谷と一緒に歩いてるから、昨日のことは忘れてんのかってちょっとムカついただけだし」
「そんな……、忘れたりしないよ。あっくんこそ、富谷くんに急にあんなこと言うと思わなくてびっくりした。心臓出るかと思っちゃった」
「あんなことって?」
わざとらしく首を傾げるあっくんは、付き合い出したって変わらずに、ちょっと意地悪だ。
「だから、その……」
「正式に俺の、ってやつ?」
口籠るあたしの顔を横から覗き込んだあっくんが、にやっと笑う。
「わかってるなら、どうして聞き返すの?!」
「るみが困って恥ずかしそうな顔するのが可愛いから」
「……」
あまりにストレートなあっくんの言葉に、あたしのほうが言葉が出なくなる。
これまでのあっくんは、直接的な褒め言葉なんて全然くれなかったし。あたしのことを揶揄うような言葉ばかり言ってきたけれど。
普通の幼なじみじゃなくなったあっくんは、これまでとは違う意味で意地悪だ。
あっくんからの甘い言葉なんて言われ慣れてないのに、どんな反応を示すのが正解なのか全然わからない。