あたしを撫でる、君の手が好き。
「俺のことばっかり言うけどさ……」
されるがままにジッと身を委ねていると、あっくんがあたしの耳元で不満そうにつぶやく。
「るみだって、小4のときに他の女子に言わせにきたじゃん。『るみちゃんは幼なじみだから岸くんと仲良くしてるだけで、好きなわけじゃないんだよ。勘違いしないで』って」
「え、そんなこと……」
あたしは言った覚えもないし、誰かに言わせたりもしていない。
「覚えてない?もう名前は忘れちゃったけど、いつも髪の毛一纏めにしてて、お前ともそこそこ仲良さそうだった、気が強そうなやつ」
「ユイちゃん、かな?」
「たぶん、そう。そいつが急に俺のとこ来て、『るみちゃんからの伝言』って、腰に手ぇあてながら言いにきたよ」
「あたし、ユイちゃんにそんなこと伝えてなんて頼んでないよ」
だけど思い返してみると、小4の頃のユイちゃんは、あっくんのことが「好き」だと言っていたかもしれない。
だから……?