あたしを撫でる、君の手が好き。

閉会式が終わって解散になると、徳永さんがあたし達のクラスのメンバーのなかに紛れ込んできた。


「亜聡、亜聡!一緒に写真撮ろうよ」

リレーの怪我のためか、左肘と右膝に大きな絆創膏を貼った徳永さんは少し痛々しい。

けれど、満面の笑みであっくんに話しかける徳永さんは、やたらと元気そうだった。

あっくんの左側にぴったりとくっついた徳永さんが、スマホを高い位置で持ち上げる。

そんな姿を見せられただけで、落ち着きをなくしたあたしの胸が早鐘を打ち始める。それなのに……


「亜聡、もうちょっと姿勢低くしてくっついて」

ふざけるみたいに笑った徳永さんが、あっくんの首の後ろに手を回してグイッと引き寄せるから、あたしの心臓はショックで止まりそうになってしまった。


「撮るよー」

ほっぺた同士がくっつくくらいに顔を寄せた状態で、徳永さんがスマホカメラのシャッターを押す。


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