あたしを撫でる、君の手が好き。
「亜聡、もっと笑ってよー」
最初は驚いたように目を見開いていたあっくんだけど、徳永さんに甘えた声で促されて、笑顔を作る。
仲良さそうに写真に写るふたりを見て、胸が締め付けられるみたいにキリキリと痛んだ。
あたしとは写真を撮ってくれなかったのに、徳永さんとなら撮れるんだ。しかも、あんなに仲良さそうに……
胸が、というかもう、心臓そのものが痛い。
ヒリヒリ、ズキズキ、キリキリ。わけのわからないくらいのいろんな痛みが胸を襲ってきて、息の仕方を忘れそうだ。
苦しくて、胸だけじゃなくて頭も痛い。
ふらふらして、重たくて、支えきれなくて倒れそう……
「るみ!?」
視界が真っ白になったあたしの耳に、桃佳の声が届く。
「え、どうしたの!? シロちゃん、大丈夫?」
少し遅れて聞こえてきた声は、たぶん富谷くん。
誰かに肩を支えられたような気がしたけれど、その感覚も、あたしを呼ぶ桃佳達の声も、なんだかとても遠かった。