ボーダーライン。Neo【上】
あたしはノロノロと頭を回転させ、美波を見つめた。
「あたし達って、美波……」
「あたしと~、サチ。決まってんじゃん!」
言いながら肩にポンと手を置かれた
目の前が真っ白になりそうだった。頭がクラクラして、この展開について行けなくなる。
「だ、ダメだよ、美波。何言ってんの??」
ーーだって、旅行だよ? 有り得ないでしょ、特定の生徒と、異性と旅行とか。きっと酔っているせいで、実現不可能な事を口走っているんだ。
「だってっ。話によると二人共帰国子女なんでしょ? いいガイドしてくれそうじゃん!」
「だからってそれはいくら何でも。秋月くんだって迷惑」
「じゃないけど、俺は」
ーーえ。
あたしは目を丸くして彼を見た。本気? とつい訊きたくなる。
「なぁ? カイ」
カイくんは、秋月くんから何かを感じ取り、早口の英語で答えた。
「Should I make it like? Because I am supported」
「……カイ」
美波に「今なんて?」と訊ねられるが、流暢すぎて聞き取れなかった。
秋月くんはイギリスの血が入ったクォーターだが、カイくんはその血がさらに濃い、ハーフだ。
前に秋月くんから聞いたのだ。見た目、外国人と相違ない、青い瞳の彼が従兄弟だと紹介された時に。
「あたし達って、美波……」
「あたしと~、サチ。決まってんじゃん!」
言いながら肩にポンと手を置かれた
目の前が真っ白になりそうだった。頭がクラクラして、この展開について行けなくなる。
「だ、ダメだよ、美波。何言ってんの??」
ーーだって、旅行だよ? 有り得ないでしょ、特定の生徒と、異性と旅行とか。きっと酔っているせいで、実現不可能な事を口走っているんだ。
「だってっ。話によると二人共帰国子女なんでしょ? いいガイドしてくれそうじゃん!」
「だからってそれはいくら何でも。秋月くんだって迷惑」
「じゃないけど、俺は」
ーーえ。
あたしは目を丸くして彼を見た。本気? とつい訊きたくなる。
「なぁ? カイ」
カイくんは、秋月くんから何かを感じ取り、早口の英語で答えた。
「Should I make it like? Because I am supported」
「……カイ」
美波に「今なんて?」と訊ねられるが、流暢すぎて聞き取れなかった。
秋月くんはイギリスの血が入ったクォーターだが、カイくんはその血がさらに濃い、ハーフだ。
前に秋月くんから聞いたのだ。見た目、外国人と相違ない、青い瞳の彼が従兄弟だと紹介された時に。