キミの世界で一番嫌いな人。




同じようにして誰かを待っている女の子がいた。

見覚えがある顔だったからこそ、どうして会っちゃったんだろうと。


メガネ外して、少しメイクしてる…。

髪もボブくらいの長さだったのに、伸びたのか巻かれていて。

……私は変わらずショートヘアで。



「…お久しぶりです」



大人しげに言ってくる、その女の子。


夏実ちゃんだ───…。


お久しぶりです、なんて言われても。
どう返せばいいのかわからない。



「あっ!藤城先輩っ!」



夏実ちゃんは立ちすくむ私を気にすることなく、うしろから歩いてくる人に手を振って近づいた。


まさか会ってしまうなんて。

でもこの高校は湊川だから、いるに決まってる。



「…またお前か」


「またってなんですか!」


「毎日毎日しつけぇんだよ」


「もう!先輩ひどいです!」



そんな姿は、かつての私たちみたいだった。

懐かしい…なんて感覚でボーッと見つめてしまって。



「今日はなんの用───…」



私の姿に気づくと、言葉が止まった。

マスクと前髪の隙間から覗かせる瞳が、分かりやすいくらいに開かれる。



< 258 / 317 >

この作品をシェア

pagetop