キミの世界で一番嫌いな人。
同じようにして誰かを待っている女の子がいた。
見覚えがある顔だったからこそ、どうして会っちゃったんだろうと。
メガネ外して、少しメイクしてる…。
髪もボブくらいの長さだったのに、伸びたのか巻かれていて。
……私は変わらずショートヘアで。
「…お久しぶりです」
大人しげに言ってくる、その女の子。
夏実ちゃんだ───…。
お久しぶりです、なんて言われても。
どう返せばいいのかわからない。
「あっ!藤城先輩っ!」
夏実ちゃんは立ちすくむ私を気にすることなく、うしろから歩いてくる人に手を振って近づいた。
まさか会ってしまうなんて。
でもこの高校は湊川だから、いるに決まってる。
「…またお前か」
「またってなんですか!」
「毎日毎日しつけぇんだよ」
「もう!先輩ひどいです!」
そんな姿は、かつての私たちみたいだった。
懐かしい…なんて感覚でボーッと見つめてしまって。
「今日はなんの用───…」
私の姿に気づくと、言葉が止まった。
マスクと前髪の隙間から覗かせる瞳が、分かりやすいくらいに開かれる。