キミの世界で一番嫌いな人。
「はい、たくさん歌っていいよ」
「……秋斗くんは歌わないの…?」
「俺は見てるだけで十分」
そう言ってパフェを注文すると、私にマイクを差し出してくる。
そう、ここはあの日のカラオケ店。
女3人と男3人が集まった、恐怖の合コン。
そんな場所に今日は2人きり。
「ほんと悪いことしちゃったなって、毎日思うんだよ俺」
「悪いこと…?」
「女の子なのに合コンなんかに参加させて、いろいろ馬鹿にもした。
最初のときは胸ぐら掴んだし、体育祭の日は腹にパンチもしてさ…、」
そう言って、向かい合っていた席から私の隣に移動してきた。
覗き込むように見つめてくれて、どこか申し訳なさそうに「本当なにやってんだろ俺…」と、こぼす。
そんな姿が廣瀬 秋斗じゃないみたいで少しだけ笑ってしまった。
「サッカーボール顔に当てちゃったし…。痛かったよね…?」
「うん。…顔面キャッチって笑われたもん」
「ごめん、…本当にごめんね青葉ちゃん」
「でも、いちばん痛かったのは机の角におでこぶつけたときかな」
あれは痛かった。
アッキーが足引っかけてくるから、綺麗に躓いてしまって。
朝からゴンッ!!、って。