キミの世界で一番嫌いな人。
「まったく!結局あたしら1年2年は雑用よ!」
「ほんと!そもそもこっちはまだ桜も咲いてないし!ぜんぜん卒業式って感じしないよね~」
ガタンっ。
卒業式終わりの体育館から在校生の椅子を運び終えたあたし、山崎 凛。
いつもは青葉っていう、3学期から転校してきた友達と行動してるんだけど。
今は確か整美委員の仕事で校庭にいるんだっけ?
「青葉がいた高校だったら、このあとカラオケしたりファミレス行ったりしてんだろうねぇ」
「あー羨ましい!あんなにイケメンな彼氏もいてさ!」
「あー…、青葉、別れちゃったって」
「ええ!?そうなの!?」
でも青葉、まったくと言っていいほど“失恋しました”って感じじゃなくて。
あたしに教えてくれたときも泣かなかったし、逆にスッキリしてたようにも見えて。
そもそもこれは別れじゃない!とも言ってたっけ。
なんで?と理由を聞いても、「俺たちはずっと離れないトモダチだから」としか言わないし。
あんたいつから俺っ娘になったの?って。
「ビッグニュースっ!!いま校庭に超絶イケメンと───」
校舎内を駆け回る伝達係の女子生徒。
それだけであたしは走った。
そう、いわゆる面食いなのですあたし。
イケメンと聞けば3度の飯よりそっちを優先させるくらいの。