キミの世界で一番嫌いな人。




被った紅白帽。

それを奪うだけのはずだけど…。


ドゴッ!!ドガ───ッ!!!



「てめえ…!!いま俺の足踏みやがったな!?」


「うるせぇんだよ!!ボサッとしてるからだろ!!」



やっぱりだ…。
ただの殴り合い、開始。

騎馬から落ちても地上戦をしてる男たちだけど、本当の勝利は最後の1騎になること。



「チビ、相手の目を潰しな」


「えっ!?無理だってそんなのっ!!」


「それくらいしなきゃお前は勝てないよ」



アッキーはそう言いながら、向かってくる男に蹴りを加えてドサドサと倒してゆく。


もうこの人だけで勝てちゃうんじゃないの……。

そもそも私は自分の帽子を獲られないようにするだけで必死だった。



「うわぁ…、」



それから予想どおり最後の2騎にまで残った私たちの前。

かなり強そうな見た目をしたガタイの良い男たちでコーティングされた騎馬は現れる。



「なに怯えてんの。こんなの見た目だけだって」



強そうだ、見るからに強そうだ…。

それでもこの人たちを倒せば1位。



「ははっ、ずいぶんとひょろい大将だなあ」


「その代わり足場は何よりも強いけどね」


「こ、こいつアキさんじゃねぇか!?」



と、アッキーを捉えた途端に顔色が変わった。



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