キミの世界で一番嫌いな人。
なんでこの人がいるんだと、みんな口を揃えて言ってる。
「こういう行事には出ないんじゃねぇのかよ…!!」
「知らねえよ俺に言うな…!!」
明らかにビビってる男たち。
ラグビー選手のような風格なのに、すごく小さく見えてしまってクスッと笑ってしまうと。
……ギロッと睨まれまして。
「ま、まぁ、あのチビをボコせばいいだけだろ」
「どうせアキさんは足場だ。余裕だぜ」
まるで吹っ切れるかのように、ゲラゲラと笑って私たちに近づいてくる。
私を支えるアッキー以外のクラスメイトもヤワな奴らではない。
廣瀬 秋斗を尊敬しているという男たち。
本人は相手にしてないっぽいんだけど…。
「へえ、言ってくれるね」
「うわぁっ…!!ちょ…!!」
……なにしてんのアッキー。
まさかの大将1人をおぶる形に変えて、迷いなくラグビー系不良の塊へと突っ込んでいく。
待って、これもう騎馬戦じゃないって!!
「ちょっとアッキー!!これおんぶだから!!ルール守ってよ…!!」
「お前もあとで2発は殴るからね。その名前で呼ぶなって言っただろ」
ねぇ、騎馬の意味しってる?
湊川はその概念から覆してくるの?
確かに周りだってただの血祭りだけどさあ…。