新妻の条件~独占欲を煽られたCEOの極上プロポーズ~
 アパルトマンの車寄せに停まっている真っ赤な2シーターのスポーツカーへとレナさんは歩を進めて、私を助手席に乗せる。

 モナコで走っている車のほとんどが高級車なので、三日目にして早くも驚かなくなってきた。

 運転席に乗り込んだレナさんはエンジンをかけ、車を動かしながら今日の予定を教えてくれる。

「まず服を選びましょう。その後はヒールを」

 たしかに二ヵ月間の滞在では服は足りない。物価の高いモナコで買うのはもったいないが、少しくらいなら問題ないはず。今は立て替えてもらって、瑛斗さんに後で返そう。

 そんなことを考えているうちに、レナさんは巨大な建物の駐車場に車を停めた。

 徒歩でも十分かからなそうな場所だ。

 レナさんは車から降りた私を手招きして呼び、建物の中へ進ませる。

「ここはショッピングセンターよ。だいたいの買い物はここで済ませられるわ」

 駐車場から中へ入ると、日本のショッピングモールとは違う高級感あふれるおしゃれな雰囲気のショップがずらりと並んでいた。

 レナさんはそういった店には見向きもせずに、どんどん先を行く。

 あんなに高いヒールなのに、歩くスピードは速い。スニーカーを履いている私が置いてきぼりをくらいそうで、キョロキョロするのをやめ、必死に彼女についていく。

「ここは私の行きつけのお店なの」

 ショーウインドーのトルソーに飾られた上品なワンピースが目に入り、ずいぶん高そうだと困惑しながら足を止める。

 ショップの自動ドアが開き、レナさんはちらっと斜め後方にいる私に視線を向ける。

「入って」

 眼光鋭く急かされ、仕方なく彼女に続いて私も店内へ入った。

 レナさんに気づいた店員が即座に近づいてきた。髪はブロンドで三十代くらいに見えるやせ形の女性だ。

 ふたりは親しげにハグして、私の方へ視線を向けながら会話をしている。

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