新妻の条件~独占欲を煽られたCEOの極上プロポーズ~
 次の瞬間、色香を漂わせた瑛斗さんの瞳がこちらに向けられ、私の鼓動がドクッと跳ねる。

 持っていたショッパーバッグが手から離れ、大理石の床に音を立てて落ちた。

「あ、あの、すみません! お邪魔しました!」

 慌てて謝り、腰を折ったついでにショッパーバッグを拾おうとしたところで私は目をむいた。

 中からブラジャーとショーツが飛び出していたのだ。

「あらっ! ランジェリーを買いにいっていたのね!」

 私が手にする前に、いつの間にか近くに来ていたレナさんがブラジャーをさらっていく。残りをショッパーバッグにかき集めて立ち上がるが、下着を男性に見られ、恥ずかしくて顔を上げられない。

「なんだか白と黒ってエッチね。ねえ? 瑛斗、こんなランジェリーはどうかしら? そそられる?」

 恥ずかしさで赤面する私とは反対に、レナさんは堂々とブラジャーを広げて瑛斗さんに見せている。

「レナ……」

 瑛斗さんはため息とともにあきれた声を漏らした。

 ばからしいやり取りに辟易しているのかもしれない。

「か、返してください」

 レナさんからブラジャーをひったくるようにして掴むと、一目散に自室へ走った。

 部屋に入り、ドアを背にため息をつく。

 よりによって、瑛斗さんに見られるなんて……。

「恥ずかしい……」

 いつもつけているスポーティーなシンプルブラならば、こんなに恥ずかしい思いはしないだろうに……。

 ショッパーバッグをクローゼットにしまったところで、ドアがノックされた。

< 53 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop