新妻の条件~独占欲を煽られたCEOの極上プロポーズ~
時計を見ればもう十六時近い。
リビングへ歩を進めると、ひとり用の白いソファに座る瑛斗さんがいた。書類を見ていたが、人の気配を感じたのか彼は視線を私に向けた。
「おかえ――」
瑛斗さんは私を見て一瞬言葉を止めた。
「紅里? すごい変身だな」
髪形が変わったのをすっかり忘れていた私は「あ!」と声を漏らし、手を髪にやる。
「おかしいですよね」
いつもは指に絡む毛がなくて、手がすべる。
「おかしくはない。別人が立っているのかと思って驚いたよ」
私は瑛斗さんの斜め横のソファに腰を下ろし、手を広げて彼に見せる。
「見てください。ネイルまで」
世の男性はこんなふうに髪や指先に気を使う女性が好きなのだろうかと考えながら、困惑気味に口もとをゆがませる。
「綺麗だよ」
瑛斗さんはそっけなく言い、それからふっと笑みを漏らした。
「紅里は変身した自分が気に入らないんだな?」
「髪形を整えてネイルをして着飾ったからって、女性らしくなるのは見た目だけですよ?」
「本質的なものは変わらないだろうが、外見を綺麗にして悪いものでもない」
瑛斗さんはテーブルの上に書類をポンと置き、組んだ脚の膝の上で指を組む。その姿は見惚れそうになるくらい綺麗だ。
私は自分の脚に目を落とす。膝頭が二十センチは開いている。デニムだから今まで気にしていなかった。何気なさを装い、くっつけてみる。
「女性らしい所作は、男性の目を惹きつける」
「別に男性の目を惹きつけたくはないですけど」
澄まして口をすぼめる私に、瑛斗さんは端整な顔に苦笑いを浮かべる。
リビングへ歩を進めると、ひとり用の白いソファに座る瑛斗さんがいた。書類を見ていたが、人の気配を感じたのか彼は視線を私に向けた。
「おかえ――」
瑛斗さんは私を見て一瞬言葉を止めた。
「紅里? すごい変身だな」
髪形が変わったのをすっかり忘れていた私は「あ!」と声を漏らし、手を髪にやる。
「おかしいですよね」
いつもは指に絡む毛がなくて、手がすべる。
「おかしくはない。別人が立っているのかと思って驚いたよ」
私は瑛斗さんの斜め横のソファに腰を下ろし、手を広げて彼に見せる。
「見てください。ネイルまで」
世の男性はこんなふうに髪や指先に気を使う女性が好きなのだろうかと考えながら、困惑気味に口もとをゆがませる。
「綺麗だよ」
瑛斗さんはそっけなく言い、それからふっと笑みを漏らした。
「紅里は変身した自分が気に入らないんだな?」
「髪形を整えてネイルをして着飾ったからって、女性らしくなるのは見た目だけですよ?」
「本質的なものは変わらないだろうが、外見を綺麗にして悪いものでもない」
瑛斗さんはテーブルの上に書類をポンと置き、組んだ脚の膝の上で指を組む。その姿は見惚れそうになるくらい綺麗だ。
私は自分の脚に目を落とす。膝頭が二十センチは開いている。デニムだから今まで気にしていなかった。何気なさを装い、くっつけてみる。
「女性らしい所作は、男性の目を惹きつける」
「別に男性の目を惹きつけたくはないですけど」
澄まして口をすぼめる私に、瑛斗さんは端整な顔に苦笑いを浮かべる。