御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
「俺は沙穂ちゃん以外はいらない。もちろん、美砂も」

しかし彼のこの言葉に正気に戻り、「んんん」と反抗してキスを中断した。
押し倒されたままの体勢で、ハア、ハアとお互い肩で息をしている。

透さん、今なんて言った?

「あの。美砂のこと、いらないって……」

信じられずに問いかけても、透さんは真剣な表情を変えず、否定もしない。

「うん。言った」

嘘……。

「透さん……最初に私と約束したのは、覚えてますよね。美砂と結婚するって。それは、守ってくれる気でいるんですよね……?」

彼の胸板にすがるように触れながら尋ねたが、透さんはまっすぐな瞳で見つめ返し、芯の通った声で「守れないよ」と答えた。

え? どうして?

「最初からきみしかいらない。俺が好きなのは、七年前から沙穂ちゃんだけだから」

どういうこと……?

混乱していると、彼は少し笑い、私の上から退いた。次に手を掴んで体を起こされると、ベッドに座っている私の頭をポンポンと撫でる。

「少し休んで、落ち着くといいよ。お昼になったら話そうね」

最後に私でポンと反動をつけ、彼は立ち上がった。
残して先に出ていく背中を見ることもできず、私は放心状態のまま枕にパタンと身を投げた。

もう、なにがなんだか分からない。
< 106 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop