御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
「これっ……」

立つと身長差のある彼女の後頭部が揺れたのが分かり、ああやっと言えた、と愛しく眺めた。
我慢できずその頭を撫でる。

「書いていたのは沙穂ちゃんでしょ?」

ささやくと彼女はさらにピクリと揺れ、焦る息をしながら黙り込んでいる。

「ど……どうして」

「手紙に書いてあった」

該当のクリアポケットから最後の便箋を出し、後半を指差してみせ、【姉】と書かれた部分をつついた。

彼女は絶句している。

「でも最初から気づいてた。書いているのは美砂じゃないって。俺はずっと、沙穂ちゃんに向けて手紙を書いていたんだよ」

これでなにも隠し事はない。彼女への申し訳なさもあるが、爽快な気持ちでいっぱいだった。

「美砂はいい友人だけどそれだけだ。好きなのは沙穂ちゃんだよ」

どうか受け止めてくれ。

目を落とすと、沙穂ちゃんは手紙に触れて肩を震わせている。泣いているのだと気づき焦ったが、それが悪い意味の涙ではないと分かった。

「沙穂ちゃん」

驚いて気でも失ってしまうのではと心配になり、頭を抱き寄せ、覗き込んでみる。
彼女は目が合うと、真っ赤に溶けそうな顔で瞳を揺らした。

「私もです……」
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