御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
彼はとてもリラックスした様子で、背もたれに身を預けて次々とクッキーに手をつける。
ひょうきんに見えるけどなにか引っ掛かる。私が黙って観察していると彼はさらに話しだした。
「透が三鷹ツアーズには入らないと宣言したときは、うちは大混乱だったよ」
「え……?」
初めて聞くお話。私は前のめりになった。
「将来社長になるのは僕だけど、どう見たって透のほうが出来がいいからね。正直、ひとりじゃ心細い」
「そ、そうなんですか?」
「そうだよ。あーあ、本当はもう透に社長の座を譲りたいくらいさ。昔はどちらが獲るかで競ってたくらいだし、喜んで継いでくれるんじゃないかな」
なにそれ……。
紅茶のカップを握り、口をつぐんだ。
気軽に会社を譲ろうだなんて、透さんの生き方を無視した勝手な言い分だ。実家を離れるという決断は相当悩んで下したはずだし、なにより努力して得た今の地位をまるで腰掛けみたいな見方をして。
ひょうきんに見えるけどなにか引っ掛かる。私が黙って観察していると彼はさらに話しだした。
「透が三鷹ツアーズには入らないと宣言したときは、うちは大混乱だったよ」
「え……?」
初めて聞くお話。私は前のめりになった。
「将来社長になるのは僕だけど、どう見たって透のほうが出来がいいからね。正直、ひとりじゃ心細い」
「そ、そうなんですか?」
「そうだよ。あーあ、本当はもう透に社長の座を譲りたいくらいさ。昔はどちらが獲るかで競ってたくらいだし、喜んで継いでくれるんじゃないかな」
なにそれ……。
紅茶のカップを握り、口をつぐんだ。
気軽に会社を譲ろうだなんて、透さんの生き方を無視した勝手な言い分だ。実家を離れるという決断は相当悩んで下したはずだし、なにより努力して得た今の地位をまるで腰掛けみたいな見方をして。