御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
どうしよう、葵さんに口答えして嫌われて、透さんに愛想を尽かされたら。
身の程をわきまえない女性とは結婚できない、なんてなったら……!

ギュッと目を閉じる。すると同時に、横に置いていたスマホが「ヴヴヴ」と振動した。
「きゃっ」と声が出て画面を確認すると、ちょうど透さんからの着信だった。

出なきゃ、と手を伸ばしたときだった。

「沙穂さん! 感動したよ!」

突然、テーブルの向こうの葵さんに両手をガッチリと束ねられ、思いきり顔を近づけられる。
こっちにも「きゃあ!」と驚きの声をあげたが、彼はキラキラした瞳で迫ってくるだけで退いてくれる気配はない。

葵さんは手を握ったままこちらのソファへと移動し、隣に座った。

「ちょ、ちょっと葵さん」

近い!

「てっきりただのおとなしいお嬢さんかと思ってたが、これほどまで透のことを考えてくれているなんて。そうだね、きみの言う通り、僕はまだ透の気持ちを理解できていない」

「あ、あのっ」

「でも、きみが架け橋となってくれたら、きっと分かち合える気がするんだ!」

ひゃーーー!

彼が熱意だけではなく体重をかけてきたせいで、私は支えきれずに背中の力が抜けた。
頭までストンとソファに落ち、私にのしかかっていた葵さんもこちらへ倒れてくる。

「きゃっ……」

「あっ……」

至近距離で目が合い、思考が停止する。
押し倒されたみたいになってる!
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