御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
「紅茶、好きだったよね。一昨日ちょうど専門店に行く機会があってさ。今日のお礼」
フルーツフレーバーのティーバッグが五種類、個包装で入っている。
お礼をしたいのはこちらの方なのに、女性への気遣いまで完璧すぎて、くらりとする。
「ありがとうございます! 紅茶大好きです」
オレンジとレモンの袋を手に取ってみる。美砂は柑橘系のフレーバーが好き。透さんはそれを知っているのかな。
顔を上げて「姉も喜びます」と付け加えると、彼の笑顔が固まった。
「……沙穂ちゃんも飲んでね」
透さんの声は微かに揺れているように聞こえたけど、気のせいかな。
それより。埼玉まで送迎してもらったこちらが手土産を渡さないのは非常識だろうか。ジンジャークッキーがお礼の予定だったんだけど、とても釣り合わない。でもなにも用意していない傲慢な妹だと思われたら。
「……あの」
私は覚悟を決めてポシェットの中を探り、クッキーが十枚入った透明のラッピング袋を取り出した。
「私もこれ、お土産です」
フルーツフレーバーのティーバッグが五種類、個包装で入っている。
お礼をしたいのはこちらの方なのに、女性への気遣いまで完璧すぎて、くらりとする。
「ありがとうございます! 紅茶大好きです」
オレンジとレモンの袋を手に取ってみる。美砂は柑橘系のフレーバーが好き。透さんはそれを知っているのかな。
顔を上げて「姉も喜びます」と付け加えると、彼の笑顔が固まった。
「……沙穂ちゃんも飲んでね」
透さんの声は微かに揺れているように聞こえたけど、気のせいかな。
それより。埼玉まで送迎してもらったこちらが手土産を渡さないのは非常識だろうか。ジンジャークッキーがお礼の予定だったんだけど、とても釣り合わない。でもなにも用意していない傲慢な妹だと思われたら。
「……あの」
私は覚悟を決めてポシェットの中を探り、クッキーが十枚入った透明のラッピング袋を取り出した。
「私もこれ、お土産です」