日常(仮)
途中まで、あかりと一緒に帰ってきた。
あかりと別れてから少しすると、
「こころ、おかえり」
ていらがどこからか現れる。
「ただいま」
「施設に新しい子が来てたけど、なんかすごいもめてたよ。」
「え、もめてるの?新しい子が来ることは聞いてたけど、やばそうだね…」
今日、早く帰る目的は施設に新しい子がくるからだった。
施設にくる子たちのほとんどは、何らかの事情を抱えてる。
そんな子たちが施設に馴染めるようにしてあげたいと思う。
施設に着くと、大きな声で泣く男の子の声が聞こえてきた。
「まだ、泣いてるの…。施設に来てからずっとだよ。というより、連れてこられた時からずっと泣いてる。」
「あらら…」
ていらが自分の耳を押さえている。
教室に行くと、男の子が教室の真ん中で暴れてた。
「心愛ちゃん、おかえり!!」
施設にいる小さい子たちが集まってくる。
「あの子ね、ずっと泣いてるの。」
「教室の真ん中でああしてるから、僕たち遊べないよ」
みんな困った顔をしている。
正直、私もどうしたらいいのかわからないくらいだ。
ここに来た時から、
ああしてるなら、きっともう疲れてるだろうなあ。
「ねえ、君。名前なんていうの?」
男の子に近づく。
「うるさい!!話しかけるな!!」
男の子に近づいてわかったことがある。
腕、足、顔、服を着ていても肌が見えるところには、たくさんのアザがあった。
普通の子が遊んでいてつくような傷ではない。
「私は心愛。白い猫は、ていらって言うの。よろしくね。
君はどうしたいの?」
「家に帰るんだ。俺だけ、、、俺はここにいたくない。」
少ししか話してないけど、気づいたことがある。
この子は、私が思っていたよりも幼くない。自分の意思表示をしっかりできるくらいの年齢だ。
痩せた小さいからだだけど、この子は意思を持ってこうしている。
「家が好き?」
「あんな家好きじゃない。大っ嫌いだ。」
「そうなんだ。大っ嫌いな家に帰るの?」
「俺がいないと、お母さんが怒られちゃう。俺が、お母さんを守らないといけないんだよ」
母親の安全を気にしていたんだ。
「私が先生に確認してきてあげる。君のお母さんがどうしてるか。」
「…本当?」
「うん。だから、みんなと待ってて。」
男の子の頭をなでる。
みんなに仲良くしてあげてね。といって教室を出た。