こんぺいとうびより
「まったくそんなヒールで走っても転ばないのにこんなところで転ぶとか・・・。」

───肩は意外と華奢なんだな・・・あと、香水控えめでいい香り・・・。

「ご、ごめんなさい!」

璃子は急いで離れた。

「いや、いいけど・・・入ろう。」


店に入りカウンター席につくと食券を出し、油の量や麺の固さの希望を伝える。

「これが噂のチャーシューくじですね。」

チャーシューの厚さは1等から5等のくじで決まる仕組みだ。

「俺、5等か4等しか当てたことないけど。」

「よーし!」

璃子はくじの箱に手をズボッと突っ込むとくじをごそごそかき回し、1枚取り出して開く。

「一等だー!!」

立ち上がりくじを高く掲げる。

「ええ!?」

「嬉しー!ビギナーズラックってやつですねっ!!」

「おめでとうございまーす!!」

店員がカランカランと鐘を鳴らす。

「お姉さん、じゃんけんでも勝って味玉ゲットしちゃってくださいよ!」

若い男性店員がノリノリで(あお)る。

「任せてくださいよ!」

璃子は腕まくりをすると腕をひねって手を組み、組んだ手の中を覗き込む。

「よし!勝つ気しかしない!」

「行きますよ~!じゃーんけーん・・・ぽん!」
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