こんぺいとうびより
「あたしだって帰るつもりも寝るつもりもありませんー!むしろ今・・・んっ!」

璃子が一直の唇にキスをしようとするとその前に自分の唇を奪われた。

「やられる前にやってやった。」

一直が勝ち誇ったようにニヤリと笑いながら言うと、璃子も臨戦態勢に入った。

「やったな!ただで済むと思うなよ!」

「やれるもんならやってみな。」

ぐぐっと彼の方に近づくが力で抑えられ口には届かず、唇をタコのように突き出す。

「ぶっ!そんな綺麗なドレス着てそんなタコフェイス・・・んっ!」

璃子の顔に思わず吹き出してしまい力を緩めた一直はまんまと彼女に唇を奪われた。

「ふふん、隙あり!」

璃子が不敵な笑みを浮かべると、一直はそれに負けないくらいの妖しい表情になる。

「・・・貴様、俺を怒らせたな。」

「はっはっはっ、貴様など恐るるに足りぬわ。」

「おのれ、ちょこざいな。今宵の合戦(かっせん)にて目にもの見せてくれるわ。」

「臨むところよ。」

二人はこれでもか、ときつく抱きしめ合った。

「・・・物件探しも兼ねて旅行行こうか。」

「旅行!?ぃやったー!!」

一直の言葉に璃子は両手を上げて子供のように大はしゃぎする。

「璃子の実家と俺の実家にも行かないといけないしね・・・って聞いてる?」

「ね~!ここ行きたい!!」

璃子は早速スマホで色々調べ始めた。

「・・・わかってんのかな・・・『一緒に来て』ってどういう意味で言ったのか・・・やっぱりちゃんと言った方がいいか。」

「一直見て!これすごい美味しそ~!!」

彼の話には耳もくれず食べ物の画像にハートマークを飛ばしまくっている璃子を見て一直はふっと笑った。

「いや、また今度にしよう。なんか、今日このパーティーの場で言うのは悔しいし。」

「一直ーぶつぶつ言ってないで見てよー。このホテル露天風呂付き客室あるよ~。すごい夜景きれい!」

「璃子。」

「え~?」

一直は璃子を抱きしめるとさっきよりも深く熱く口づけた。
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