こんぺいとうびより
ラーメン屋を出て駅から私鉄に乗り並んで立つ。璃子の駅の方が2つ先だった。

「あの・・・出かけるの、いつにしますか?あたしは、いつでも・・・今週末とかでも大丈夫ですけど。」

───今までみたいに当日決めて仕事帰りに飲みやご飯に行くのとは違う、ちゃんと約束して出かけるのは最初で最後になってしまうかもしれない。だから楽しみにとっておきたい・・・でも、自分の気持ち早く伝えたい・・・。週末って言ったら、金・土・日・・・土日にして長く一緒にいたいけど、金曜日って言われるかな・・・。

「じゃあ今週の土曜日は?どこ行きたい?」

「!?え、えっと、じゃあ、あの複合施設はどうですか?遊園地も、ボウリングもあるし、レストラン街あるし、買い物もできますよ。」

───土曜日キターーーーー!!

「天気・・・良さそうだからそうしようか。」

一直はスマホで天気を調べてから顔を上げてこちらに振り向く。

「はい・・・!」

───うわー!デート・・・夢みたいっ!そこで告白するんだ!

璃子が喜びと緊張が入り混じった表情になったところで、一直が降りる駅に着いた。

「じゃ、明日、動画の打ち合わせよろしくね。」

「はい!サンプル動画持っていきますね。」

ドアが閉まり電車が動き出す。璃子は見えなくなるまで満面の笑みで手を振っていた。

「・・・。」

───玉川さんの気持ち、痛いほどわかるから切ない。好きな人が自分に気持ちないってわかってるのに諦められない気持ち。苦しいのに一緒にいられるのが嬉しくて・・・。彼女と出かけるの、楽しみな気持ちがあるのは事実だよ。だから無意識に一番長くいられる土曜日に・・・けど、これは恋愛感情じゃないよな。
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