こんぺいとうびより
「トントン。」

バーテーションがノックされる。

「新貝さん、お電話なんですけど・・・。」

ブースの入り口から食品チームの派遣社員が顔を出した。

「あ、今行きます。どこからですか?玉川さん、ちょっとごめん。」

「・・・いえ。」

一直が出て行くと、璃子は椅子から降りてテーブルの下に潜り、頭を抱き締めるように抱えた。

───どどどどーしよー!髪が肩下まで伸びたから切りに行こうと思ってたのに、新貝さんに触られちゃったら切るなんて出来ない!むしろ洗えない!いやーさすがにそれは無理か・・・。

「えっ、玉川ちゃん何やってんの!?ひとり避難訓練!?」

同じ雑貨チームの先輩である今城真海(いまぎまなみ)が通りかかりぎょっとした様子で声をかけてきた。

「・・・そうなんです。心が激しく揺れ動いていて・・・。」

「へー、食品チームの動画編集やることになったんでしょ?心震えるほど楽しいんだ。よかったね。やっぱり仕事は楽しんでやれるのが一番だよね。」

「はい!めっちゃ楽しいです!頑張ります!痛っ!」

勢いよく頭を上げるとテーブルに頭をぶつけてしまった。

「ちょ、大丈夫?相当気合い入ってんね。」

「大丈夫です・・・。」

「動画楽しみにしてるね。」

「はい!」

今城か去っていくとテーブルの下から這い出し深呼吸をして心を落ち着け、バソコンに向かった。
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