こんぺいとうびより
土曜日。

───早く着いちゃったな。いつもこんなことないのに。自分で思ってるより楽しみにしてたとか・・・?いや、どうだろ・・・。

一直は約束の30分前に待ち合わせ場所である複合施設の最寄り駅に着いてしまった。

───カフェとかで時間潰すか。

駅前を見回すとベンチがあった。

───気温もちょうどいいし、喉乾いてるわけでもないし、あそこで座ってても・・・あれ!?

駅前のベンチに座り俯いて寝ている女性がいる。

───あのシルエット、まさか・・・。

近づいて顔を覗きこんでみると思った通り璃子だった。気持ち良さそうに眠っている。

───え?いつからいるの?あと普段と服装が・・・。

普段はモノトーンやアースカラーの服が多い彼女がさくら色のふんわりとしたチュニックを着ていた。胸元に華奢なネックレスがちらりと覗く。

斜めがけにしたオフホワイトのポシェットを膝に乗せて、服と同じ色のネイルをした手で抱えるようにしている。足が細くて長いのでスキニーデニムがよく似合っている。

耳元にはオフホワイトの小さなハートがついたピアス。よく見ると髪は打ち合わせスペースで触れた時よりもっとサラサラに見える。

───シャンプーのCMかっていうくらいのツヤだな・・・気合い、入れてきてくれたんだ・・・。

彼女の隣に腰かけて髪に触れてみるが起きる気配はなかった。
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