こんぺいとうびより
「本当に駅まで送らないでいいんですか?」

マンションの前で向かい合う。

「大丈夫。道分かるから。」

「そうですか。」

───もう少し一緒にいたかったな。

「今日楽しかった。ありがとう。」

「私もです。あの、また・・・。」

───『次』って言ってたの、ノリで、ではないよね・・・。

少し不安な気持ちで彼の目を見る。

「ボウリング、次は勝つから。」

「いや、無理ですね。罰ゲーム楽しみにしてますよ。」

ホッとしたのと嬉しさでテンションが上がり、偉そうに腕を組んで言う。

「その言葉そっくりそのまま返す。楽しみにしてるよ、恥ずかしい写真もしくはキス顔。」

「何おう!?」

「ははっ!じゃ、また会社で。」

「はい。気をつけて帰ってくださいね。」

笑顔で言ったものの寂しい気持ちも顔に出てしまっていて、一直はそんな彼女の頭に手を伸ばした。

「よーしよしよし。」

「だから~犬じゃない~。」

「ははっ、部屋戻って。電気ついたら帰るから。」

「何それ・・・イケメンかよおお・・・いい加減にしろよおお。」

「まあね。」

そう言ってふっと笑う彼を璃子はキュンキュンする胸を押さえて潤んだ瞳で見つめ、マンションのエントランスに入っていった。
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